1.可動域制限の見方: 五十肩の治療において、可動域制限は重要な評価指標です。患者に肩を前後に動かす屈曲・伸展、内側に動かす内転・外側に動かす外転、そして肩を回す回旋の動作を行ってもらい、動きの制限や痛みがあるかどうかを確認します。これにより、どの方向に問題があるかを特定し、治療の方針を調整します。
2.経穴の治療: 鍼灸治療では、経穴と呼ばれるエネルギーに位置する特定のポイントを刺激します。五十肩の場合、肩の痛みやこわばりに関連する経穴を選定して刺激することが行われます。経穴の刺激によってエネルギーの流れが調整され、痛みの軽減やリラクゼーションの促進が期待されます。
3.肩関節を構成する筋肉へのアプローチ: 肩関節の周囲には複数の筋肉が関与しています。鍼灸治療では、特定の筋肉に鍼を刺すことで筋肉の緊張をほぐし、肩の可動域や痛みの改善を図ります。肩甲骨周囲の筋肉や上腕二頭筋、三角筋などがアプローチの対象です。
4.炎症を抑える鍼治療: 五十肩の痛みや腫れに関与する炎症を抑えるため、鍼灸治療が行われることもあります。特定の鍼灸ポイントを刺激することで、炎症を緩和し、痛みの軽減を図る効果が期待されます。
5.自宅でできるリハビリ: 自宅でのリハビリテーションは、治療の効果を持続させるために重要です。肩の可動域を保つために、屈曲・伸展、内転・外転、回旋の動作を継続的に行います。また、ストレッチや軽い筋力トレーニングを組み合わせて行うことで、肩の筋肉のバランスを整え、機能を改善させることができます。
治療計画やリハビリ内容は、専門の鍼灸師や医師と協力してカスタマイズされるべきです。個々の状態に合わせた適切なケアを受けることが、五十肩の症状の改善につながります。